皆さま、こんにちは。おきつ医院の中上です。 前回は認知症予防の基礎知識と生活習慣についてお話ししました。今回は、認知症予防の三本柱のうち「食事」について詳しくお伝えします。
ところで、最近の日本での急激な認知症の増加は単なる高齢化社会の進行だけが原因ではありません。実は、食生活の変化による影響も大きいように思います。では、どのような食事が脳に良いのでしょうか?
脳に良い「MIND食」とは
まずご紹介したいのが「MIND食」です。これは、地中海式食事と高血圧予防のDASH食を組み合わせた食事法で、認知症予防に効果的とされています。
実際に、アメリカの研究では、MIND食をしっかり実践した人は、そうでない人に比べてアルツハイマー病の発症リスクが約53%低下したという結果も出ています。つまり、食事を変えるだけで、認知症のリスクを大幅に減らせる可能性があるのです。
積極的に摂りたい10の食品
それでは具体的に、どのような食品を摂ればよいのでしょうか?以下に、MIND食で推奨される10の食品をご紹介します。
① 緑黄色野菜は週6回以上摂りましょう。例えば、ほうれん草、小松菜、ブロッコリーなどがおすすめです。なぜなら、抗酸化作用のあるビタミンが豊富で、脳の老化を防ぐ働きがあるからです。
② その他の野菜も毎日1回以上。キャベツ、レタス、きゅうり、トマトなど、色々な野菜をバランスよく食べましょう。
③ ナッツ類は週5回以上。具体的には、アーモンド、くるみ、カシューナッツなどがおすすめです。良質な脂質とビタミンEが含まれています。ちなみに、おやつ代わりに少量ずつ食べるのがコツです。
④ ベリー類は週2回以上。ブルーベリー、いちご、ラズベリーなどに含まれるアントシアニンは、脳の健康に良いとされています。
⑤ 豆類は週4回以上。大豆、納豆、豆腐、枝豆など、日本の食卓にはなじみ深い食材ですね。そのため、取り入れやすいのではないでしょうか。
⑥ 全粒穀物は毎日3回以上。例えば、玄米、全粒粉パン、オートミールなどを取り入れてみましょう。実は、白米を玄米に変えるだけでも効果があります。
⑦ 魚は週1回以上。特にサバ、イワシ、サンマなどの青魚がおすすめです。というのも、DHAやEPAが脳の神経細胞を守るからです。
⑧ 鶏肉は週2回以上。牛肉や豚肉よりも脂質が少なく、良質なタンパク質が摂れます。
⑨ オリーブオイルは主な調理油として使いましょう。炒め物やサラダのドレッシングに活用できます。
⑩ ワインは1日グラス1杯程度。ただし、飲まない方は無理に飲む必要はありません。
控えたい5つの食品
一方で、控えたい食品もあります。以下の5つには注意が必要です。
① バター・マーガリンは1日大さじ1未満に。代わりに、料理にはオリーブオイルを使うのがおすすめです。
② チーズは週1回未満に。カルシウムは他の食品から摂りましょう。
③ 揚げ物・ファストフードは週1回未満に。特に外食の揚げ物は油の質に注意が必要です。
④ 赤身肉は週4回未満に。牛肉や豚肉は控えめにして、鶏肉や魚を中心にしましょう。
⑤ 菓子類・甘いものは週5回未満に。なぜかというと、糖分の摂りすぎは血糖値の乱高下を招き、脳に悪影響を与えるからです。
日本の食卓でできる工夫
ここで朗報です。和食は実はMIND食と相性が良いのです。そのため、少しの工夫で、脳に良い食事に近づけることができます。
まず朝食には、納豆ごはん、味噌汁(野菜たっぷり)、焼き魚がおすすめです。納豆は豆類、味噌汁で野菜、焼き魚でDHA・EPAが摂れます。つまり、一食でMIND食の複数の要素をカバーできるのです。
次に昼食には、蕎麦やうどんに野菜の小鉢を添えて。ちなみに、蕎麦は全粒穀物に近い栄養価があります。
そして夕食には、焼き魚や煮魚、野菜の煮物、豆腐料理などはいかがでしょうか。
ただし、塩分の摂りすぎには注意が必要です。というのも、高血圧は認知症のリスク要因でもあるからです。そこで、減塩を心がけましょう。例えば、味噌汁は具だくさんにして汁を少なめに、漬物は控えめに、といった工夫ができます。
水分補給も大切です
さらに忘れてはならないのが、水分補給です。
脳の約80%は水分でできています。そのため、脱水状態になると、集中力の低下や頭痛の原因になるだけでなく、認知機能にも影響を与えます。
では、どのくらい飲めばよいのでしょうか?1日1.5〜2リットルの水分を目標に、こまめに水やお茶を飲むようにしましょう。特に高齢の方は喉の渇きを感じにくくなるため、意識的に水分を摂ることが大切です。
血圧と脳の健康
ところで、食事と深く関係するのが血圧です。高血圧は脳血管性認知症の大きなリスク要因であり、さらにアルツハイマー型認知症のリスクも高めることがわかっています。
だからこそ、血圧管理は認知症予防において非常に重要なのです。
当院は高血圧の管理を専門的に行っています。食事療法と薬物療法を組み合わせて、適切な血圧コントロールをサポートします。
おきつ医院のご案内
診療科目は内科、脳神経外科・循環器内科・消化器内科です。
当院では脳神経外科専門医が認知症の診療を行います。物忘れが気になる方、あるいはご家族の認知症が心配な方も、お気軽にご相談ください。
また、食事や栄養に関するご相談、血圧管理のご相談も承っております。「コレステロールが高いと言われた」「血糖値が気になる」という方も、ぜひ、お気軽にどうぞ。
おきつ医院
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次回予告
次回は「運動と知的活動 ~体と脳を動かそう~」についてお話しします。お楽しみに!
※このブログは一般的な情報提供を目的としており、個別の医療アドバイスではありません。健康上のご心配がある場合は、お気軽に当院までご相談ください。





